経営情報学部 笠原民子 講師は、平成25年度科学研究費補助金(研究成果公開促進費:学術図書)を受け、書籍『日本企業のグローバル人的資源管理』を出版しました。
日本企業のグローバル人的資源管理
笠原民子 著
(白桃書房、2014年2月28日)
【内容紹介】
本書は,日本企業を対象とし,それら企業のグローバル戦略及びHRMシステムという切り口から,グローバル人的資源管理とは何かという大きな研究課題の解明に焦点を当てている。日本企業は,製造・販売等のオペレーションのグローバル化を進めてきた。しかし,グローバル戦略の遂行を念頭に置き,どのように多国籍企業グループとしてマネジメントするか,というマネジメントのグローバル化,とりわけ人的資源管理のグローバル化は十分に進められているとはいえない。1990年代以降,経営活動のグローバル化の進展と相まって,グローバル人的資源管理研究が台頭した。しかし,グローバル企業の人的資源管理はどうあるべきか,という規範論に止まっており,その実態に迫った研究は十分に蓄積されているとはいえない状況にある。多様な文化的背景を持つ人材をマネジメントし,それら人材の協働を通じてグローバルな競争優位を構築することはグローバル企業にとって欠くべからざる条件となる。
しかしながら,日本企業にとってこれほど難しい問題はないかもしれない。なぜならば,相対的にみても,同一の文化的背景・国籍を持つ人材を多く雇用する日本企業にとって,異文化を受容すること―多様な文化的背景を持つ人材をマネジメントし,活用すること―は大きな壁となるからである。異文化の受容―言葉で表現することは容易い。しかしその実践には多くの失敗,葛藤,経験がある。それらを通じた“人”としての変革・成長がなければならない。グローバル企業に求められる人的資源管理とは何か,その構築・実践に向けて日本企業は何を,どのように変えなければならないのか。規範論ではなく,その実践的な課題を解明することが本書のねらいである。
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